【保存版】生成AIのプロンプトの書き方[ChatGPT, Gemini, Claude]|今日から使える7つの型と実例

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1. プロンプトの正体は「指示書」である

プロンプトを「呪文」だと思っている人がいます。特定の言葉を入れると性能が上がる、魔法の呪文があるのだと。

そんなものはありません。

プロンプトは指示書です。良い指示書の条件は、AIでも人間でも同じです。

  • 何をしてほしいかが明確
  • 判断に必要な情報が揃っている
  • どうなったら成功かが書いてある

逆に言えば、この3つが揃っていない指示は、相手が誰であっても失敗します。上司から「例のアレ、いい感じにやっといて」と言われて困った経験はありませんか。AIも同じ状況に置かれています。


2. 結果が変わる6つの要素

良いプロンプトには、共通する要素があります。次の6つです。

要素何を書くか例
役割AIにどんな立場で考えてほしいか「あなたは製造業向けSaaSの営業マネージャーです」
背景AIが知らない前提情報「先週初回商談を実施。決裁権は部長にある」
依頼やってほしいことを動詞で「フォローアップメールを作成して」
制約分量・トーン・禁止事項「400字以内。値引きには触れない」
形式出力の構造「件名/本文/次アクションの3ブロック」
評価基準何をもって成功とするか「次回商談の承諾率を最大化する」

全部を毎回書く必要はありません。ただし、結果が悪いときは必ずどれかが欠けています。

特に抜けやすいのは「背景」と「評価基準」の2つです。この2つを足すだけで、回答の質は目に見えて変わります。


3. 悪い例と良い例を並べて見る

理屈より、実物を見るのが早いです。

❌ 悪い例

課長と部長同席で話し合いがしたい。営業メールを書いて。

これで出てくるのは、テンプレート集に載っているような文章です。誰にでも書ける。つまり、あなたが書く意味がない。

⭕ 良い例

# 役割
あなたは製造業向けSaaSを扱う法人営業のマネージャーです。

# 背景
・先週、中堅部品メーカーのA社と初回商談を実施した
・出席者は情報システム部の課長1名。決裁権は部長にある
・「在庫データの手入力に月40時間かかっている」と発言があった
・提案はまだ出していない。次回は部長同席の場を作りたい

# 依頼
商談翌日に送るフォローアップメールを作成してください。

# 制約
・400字以内、敬体
・価格や値引きには触れない
・課長が社内転送しても伝わる平易な表現にする

# 出力形式
件名/本文/想定される返信パターンと次の一手(箇条書き3つ)

# 評価基準
「部長同席の次回打ち合わせ」の承諾率を最大化すること

長い、と思ったかもしれません。でも、書いてある内容はすべてあなたの頭の中にすでにあるものです。新しく考えたことは何一つありません。

頭の中にあるものを外に出す。それだけで結果が変わります。

プロンプトを1行で終わらせてはいけない

ここまで読んで、こう思った人がいるはずです。

「毎回そんなに書くのは面倒だ」

その気持ちはわかります。でも、はっきり言います。1行のプロンプトからは、1行分の価値しか返ってきません。

1行プロンプトは「依頼」ではなく「検索」だ

「営業メールを書いて」

これは依頼のように見えて、実質は検索です。「営業メール 書き方」とGoogleで調べているのと変わりません。

だから返ってくるのも、検索結果と同じものになります。どこにでもある、平均的な文章です。

AIの本当の価値は、あなたの状況に合わせた答えを出せることにあります。その状況を伝えなければ、平均値しか出てきません。当たり前の話です。

足すべきは、たった3行

とはいえ、毎回長文を書く必要はありません。次の3行を足すだけで、結果は変わります。

1行目:誰に向けたものか
2行目:何のために使うのか
3行目:やってはいけないこと

実例で見てください。

❌ 1行だけの依頼

新商品の説明文を書いて。

⭕ 3行足した依頼

新商品の説明文を書いて。
・読むのは、価格重視で他社製品と比較検討中の30代主婦
・ECサイトの商品ページ冒頭に置いて、カートに入れるボタンまで読ませたい
・「業界初」「革新的」といった誇張表現は使わない

作業時間の差は30秒です。返ってくるものの差は、それどころではありません。

1行で済むケース、済まないケース

もちろん、すべての依頼に3行が必要なわけではありません。線引きはシンプルです。

1行でよい3行足すべき
事実を聞く(「〇〇の意味は?」)何かを作らせる(文章、企画、コード)
単純な変換(「英語にして」)判断を求める(「どちらが良い?」)
定型作業(「箇条書きにして」)相手がいる(メール、資料、提案)

判断や制作が絡んだ瞬間、1行では足りなくなります。

「面倒」の正体は、考えていないこと

背景を3行書くのが面倒に感じるとき、多くの場合、原因は文字入力ではありません。

「誰に向けて、何のために作るのか」が、自分の中で決まっていないのです。

つまりプロンプトを書く手間とは、自分の考えを整理する手間そのものです。ここを飛ばして良い成果物が出てくることは、AIを使おうが使うまいが、ありません。

3行書けないなら、まだ依頼する段階に来ていない。そう考えてください。


4. 今日から使える7つのテクニック

① 抽象語を数字に置き換える

「わかりやすく」「簡潔に」「いい感じに」。これらは全部、解釈の幅が広すぎます。

曖昧な言い方具体的な言い方
わかりやすく中学生が理解できる語彙で、一文40字以内
簡潔に全体300字以内、箇条書き5項目まで
たくさん20案。うち15案は既存とは違う切り口で
プロっぽく社内稟議書に添付できる文体。主観的な形容詞を使わない

数字を入れる。これだけで別物になります。

② 「するな」より「こうしろ」

否定形の指示は守られにくい傾向があります。

  • △ 「箇条書きは使わないで」
  • ⭕ 「箇条書きは使わず、接続詞でつないだ地の文の段落として書いて」

禁止するときは、代わりに何をするかまで書いてください。

③ お手本を1つ見せる

文体やトーンを言葉で説明するのは難しい。実例を1〜3個見せるほうが、圧倒的に速く正確に伝わります。

以下の書式で、社内広報用の一言コメントを作ってください。

【例】
氏名:山田太郎(開発部)
コメント:新しい検索機能、実は3回作り直しています。
     3回目でようやく「探す前に見つかる」形になりました。

【本番】
氏名:鈴木一郎(カスタマーサポート部)
実績:問い合わせの一次回答時間を24時間から4時間に短縮

④ 手順を分けて指定する

複雑な判断を丸投げすると、結論ありきの雑な回答が返ってきます。手順を刻んでください。

次の順序で検討してください。

Step1:この施策で影響を受ける関係者を全て挙げる
Step2:各関係者のメリットとデメリットを整理する
Step3:デメリットのうち、実施前に対処が必須のものを選ぶ
Step4:Step3を踏まえた実施可否の結論

Step1〜3の検討過程も省略せず出力してください。

⑤ 「わからない」と言う許可を出す

AIがもっともらしい嘘を書く現象を、ハルシネーションと呼びます。これを抑える最強の一文がこれです。

資料に根拠がない事柄については、推測せず「資料に記載なし」と書いてください。

AIが嘘をつくのは、「わからない」と言ってはいけないと思っているからです。 許可を出せば、正直に言います。

⑥ 資料は先、指示は後

長い文章を貼り付けるときは、この順番を守ってください。

<議事録>
(ここに長文を貼る)
</議事録>

上記の議事録から、次を抽出してください。
1. 決定事項(決定者名を併記)
2. 未決事項と、次回までの持ち帰り担当者

指示が末尾にあるほうが、取りこぼしが減ります。素材をタグで囲むのも効果的です。どこまでが資料でどこからが指示か、迷わなくなります。

⑦ 一発で当てようとしない

これが一番大事です。

初回のプロンプトで100点を狙う必要はありません。70点を取って、そこから削るほうが速い。

3つ目の案が一番近いです。ただし次を修正してください。
・「革新的」「最先端」といった形容詞を全て削除
・冒頭を、読者の課題提示から始める形に変更
・長さは現状の7割に圧縮
他の2案は破棄して、3つ目のバリエーションを3案ください。

AIとの作業は、往復させるほど精度が上がります。 一往復で終わらせようとする人ほど、結果に不満を持ちます。


5. 【職種別】そのまま使えるプロンプト実例

営業・企画職:資料の要約

要約は「誰のための要約か」で正解が変わります。用途を必ず書いてください。

以下の記事を要約してください。

# 用途
週次ミーティングで、営業チームに30秒で口頭共有する

# 形式
・冒頭に結論1文(40字以内)
・根拠3点を各1文
・最後に「我々への影響」を1文
 (記事に書かれていない推測の場合は[推測]と明記)

# 制約
記事に登場する固有名詞と数値は改変しない

事務・管理部門:メールの添削

以下の文章を添削してください。全面書き換えではなく、この形式で示してください。

| 該当箇所(原文引用) | 問題点 | 修正案 |

そのうえで、修正を全て反映した完成版を最後に付けてください。
私の語り口(一人称「私」、やや口語的なリズム)は維持してください。

企画・マーケティング:アイデア出し

アイデア出しは、「広げる」と「絞る」を必ず分けてください。同時にやらせると、平均的な案しか出ません。

広げるとき

20代前半向けの家計簿アプリの企画案を20個出してください。

・1〜5案:既存アプリの改良の延長線上で
・6〜15案:家計簿以外のジャンル(ゲーム、SNS等)の仕組みを転用して
・16〜20案:「家計簿をつけない」ことを前提にして

各案は「名称/一言説明40字/既存との違い」のみ。
この段階では実現可能性を考慮しないでください。

絞るとき

先ほどの20案を、次の3軸で5段階評価した表を作ってください。
軸:①開発コストの低さ ②差別化度 ③課題への直接性

合計点上位ではなく「②が5点かつ①が3点以上」の案だけを抽出し、
それぞれの最大のリスクを1文で述べてください。

全職種:わからないことを教わる

「〇〇」について説明してください。

# 私の前提知識
・△△は理解している
・□□は言葉を聞いたことがある程度

# 説明の順序
1. なぜそれが必要になったのかという問題設定から
2. 直感的な説明(比喩を1つ)
3. 詳細
4. 実務での判断基準

# 制約
私が既に知っていると書いたことの説明に紙幅を使わないでください。
各セクションの最後に、理解確認の問いを1つ置いてください。

この「私の前提知識」を書くかどうかで、学習効率は大きく変わります。


6. うまくいかないときの原因チェック表

症状から原因を逆引きしてください。

症状原因対処
一般論ばかりで薄い背景情報が足りない業界・相手・目的・使えない手段を書き足す
事実と違う内容が混ざる情報不足を推測で埋めている資料を添付し、「不明は不明と書く」を明示
指示の一部が無視される指示が多すぎる依頼を分割する。重要な指示は末尾に置く
毎回フォーマットが違う形式指定が言葉だけお手本を1つ見せる
修正を頼むと別の場所が壊れる全文を作り直している「変更するのは〇〇のみ。他は一字一句そのまま」
文章がAIっぽい評価語と定型表現が多い禁止ワードを列挙して渡す
会話が長くなると質が落ちる文脈が膨らみすぎている論点が変わったら新しい会話を始める

7. コピペ用テンプレート

保存して、必要な箇所を埋めて使ってください。

汎用テンプレート

# 役割
あなたは〔   〕です。

# 背景
・
・
・

# 依頼
〔   〕してください。

# 制約
・分量:
・トーン:
・避けること:

# 出力形式
〔   〕

# 評価基準
この成果物は〔   〕を達成できていれば成功です。

# 補足
前提情報が不足している場合は、作業を始める前に質問してください。

最後の一行を必ず入れてください。AIに質問させるのが、遠回りに見えて一番の近道です。

短い依頼用(1行版)

〔誰に〕〔何のために〕〔何を〕作って。〔分量〕、〔形式〕で。〔避けたいこと〕はNG。

例:「新入社員向けに、社内システムの使い方を説明する資料の目次を作って。10項目以内、階層は2段まで。専門用語の羅列はNG。」


8. よくある質問

Q. プロンプトは長いほど良いのか?

いいえ。必要な情報が入っているかが全てで、長さは結果に過ぎません。不要な情報を足すと、かえって指示が埋もれます。1行で足りる依頼は1行で構いません。

Q. 敬語で話しかけたほうが良い回答になるのか?

なりません。丁寧語かどうかは品質に関係ありません。あなたが書きやすい書き方で構いません。

Q. 「あなたは一流のプロです」と書く意味はあるのか?

肩書きだけを書いても、あまり効きません。その人が何をする人かを書くと効きます。

  • △ 「あなたは一流の編集者です」
  • ⭕ 「あなたは実用書の編集者です。原稿を読むとき、まず読者が読むのをやめる箇所を探し、その理由を構造上の問題として指摘します」

Q. AIの回答が間違っていたらどうすればいいのか?

事実確認は必ず自分で行ってください。特に数字、固有名詞、法律や制度に関する内容は要注意です。AIは「正しいこと」ではなく「それらしいこと」を書く道具だと理解して使えば、間違いは怖くありません。

Q. どのAIモデルを使うのが正解なのか?

この記事の内容は、サービスを問わず通用します。プロンプトの原則は共通だからです。まずは1つを使い込んでください。


まとめ:明日から変えるべき3つのこと

長くなったので、要点だけ持ち帰ってください。

  1. 背景情報を書く。 AIはあなたの状況を何も知りません。頭の中にあることを外に出すだけで、回答は変わります。
  2. 評価基準を伝える。 「何をもって成功か」を書いていない依頼は、必ず的を外します。
  3. 一発で終わらせない。 往復するほど精度は上がります。初回は方向確認、2回目以降で仕上げる。

プロンプトに才能は要りません。必要なのは、頭の中を言葉にする手間だけです。

その手間は、5分もかかりません。そして、返ってくる時間は何時間分にもなります。

まずは今日、いつもの依頼に「背景」の3行を足すところから始めてください。


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